ビンの中の王子様
そして、気がつけば、小悪魔と偽王子は、小悪魔の家に向かう歩道をふたりして歩いていた。
園長の丸め込みに成功し、そのうえ幼稚園早退の許可を得て、ふたりは裕香の家に向かっていたのだった。
「ずいぶん無用心な幼稚園だな。保護者に確認もしないで、初対面の人間に園児を預けるなんて」
そう言う偽王子の言葉に、裕香は平然とした顔で言い放った。
「ふつーならそんな危ない橋、子供を預かる幼稚園が渡るわけないでしょ~」
「どういう意味だよ」
「そういう意味よ」
「ったく、わけわかんねーぞ!」
「ところで、あなたの名前、本当にルー・ダイアモンドなのね?」
「・・・ああ」
ルー・ダイアモンド。
確かに、それが偽王子の本名だった。
正確には『ルー・ダイアモンド・ラングレー・9119』という。
「え~~~!なにそれ~。名前に9119なんて、意味ふめい~!」
裕香が叫ぶと、偽王子はむっとした顔で言い返した。
「俺の世界じゃ、名前の最後に数字をいれるもんなんだよ!」
「なんで~?」
「ラストネームは、生まれたエリアと系譜を現した数字だ!」
「はああ??ますます意味ふめ~い!」
「うるさいっ!!」
園服を着た少女とチョウチンブルマーの金髪青年のカップルは、どこから見ても奇妙そのものだった。
それでも、堂々と歩いているふたりとすれ違う人々は、好奇の視線を送ることはあっても、それ以上のリアクションは起こさなかった。
堂々としすぎていたせいか。あるいは、無関心のはびごるご時勢の故か。
園長の丸め込みに成功し、そのうえ幼稚園早退の許可を得て、ふたりは裕香の家に向かっていたのだった。
「ずいぶん無用心な幼稚園だな。保護者に確認もしないで、初対面の人間に園児を預けるなんて」
そう言う偽王子の言葉に、裕香は平然とした顔で言い放った。
「ふつーならそんな危ない橋、子供を預かる幼稚園が渡るわけないでしょ~」
「どういう意味だよ」
「そういう意味よ」
「ったく、わけわかんねーぞ!」
「ところで、あなたの名前、本当にルー・ダイアモンドなのね?」
「・・・ああ」
ルー・ダイアモンド。
確かに、それが偽王子の本名だった。
正確には『ルー・ダイアモンド・ラングレー・9119』という。
「え~~~!なにそれ~。名前に9119なんて、意味ふめい~!」
裕香が叫ぶと、偽王子はむっとした顔で言い返した。
「俺の世界じゃ、名前の最後に数字をいれるもんなんだよ!」
「なんで~?」
「ラストネームは、生まれたエリアと系譜を現した数字だ!」
「はああ??ますます意味ふめ~い!」
「うるさいっ!!」
園服を着た少女とチョウチンブルマーの金髪青年のカップルは、どこから見ても奇妙そのものだった。
それでも、堂々と歩いているふたりとすれ違う人々は、好奇の視線を送ることはあっても、それ以上のリアクションは起こさなかった。
堂々としすぎていたせいか。あるいは、無関心のはびごるご時勢の故か。