偽装結婚いたします！～旦那様はイジワル御曹司～

「私、こんなに好きになっちゃってどうしようって思ってて…」

「バカ。好きになったのは俺が先だ」


バカは余計です。
どっちが先に好きになったっていいじゃない。

想い合える、愛し合えることが大切。



「じゃあ、とりあえず結婚しとくか？」

「とりあえず、って何ですか」

「どっちみち結婚するだろ、俺たち」

「そ、そうかもしれないですけど……
せっかくだからここまで来たら順番守りましょうよ」


ボソボソと彼の胸の中でそう呟くと、フフっと彼が小さく笑った気配がした。


「順番って？ 結婚が先か子作りが先か、みたいな？」

「違いますよ！ 恋愛してから結婚、って意味です！！」


そうか。
今まで彼はゲイだと思ってたから、子作りなんて考えてなかったけど。

それも現実的にあり得るってことだ。

私が母親になって、新たに家族を作るってこともできるのかもしれない。