偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~

「だいたいそのもらった写メだって本人かどうか……
まぁ、その真偽はとりあえず一旦置いとくとしても。
で、そのバーチャル彼氏さんとも終わっちゃったんです?」

「うん。連絡が来なくなっちゃって……自然消滅的な?……」

「はぁ…何をやってんですか、まったく」

「……ね」


ほんと、何をやってるんでしょう、私。

33にもなって、バーチャル彼氏でちょっとした恋愛気分を味わって。

会えないことによしとしていたわけじゃないけど。
ネットを介してのやり取りが心地よくて流されてた。

それが終わったからって、リアルな世界で子供が欲しい、家族が欲しい、だなんて。

極端すぎるっていうか何ていうか。
自分でも振り子の幅が大きすぎると思う。


「そして。何で“精子バンク”のサイトなんて見てたんですか?」

「いやぁ……そのぅ……」

「私には、美衣子さんが利用したそうに食いついて見えましたけど?」


私はジョッキのビールをひとくち煽ってから、フーッと息を吐き出して覚悟を決めた。
知香ちゃんには本心を言おう。

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