偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
「なんで一人ぼっちなんて言うんです?」
「…え?」
「私がいるじゃないですか。
美衣子さんに何かあったら、私が駆けつけますよ。
何十年か経って、美衣子さんが老いて動けなくなったら介護してあげます」
「知香ちゃん……」
じわり、と目の淵に涙が溜まりそうになる。
なんて優しい子なんだろう。
「あ。美衣子さんが老いたときは、私も負けず劣らず老いてますね~。
まぁいいじゃないですか。女同士、そうやって助け合って生きていくのも」
「うん! ありがとうね」
これは知香ちゃんが私を励まそうとして言ってくれてるだけかもしれない。
だけど……
嬉しかったんだもん。
そんなことを言ってくれる人は、知香ちゃんしかいない。
「でも。それは最終手段ですからね」
「へ?」
「とにかくまだ諦めずにいきましょうよ」
「諦めずにって……何を?」