偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
◇何ですか、脳内物質って
――― ◇何ですか、脳内物質って
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もうすぐ夏が終わる。
私にとっては夏は暑いだけで、何も楽しいことなんてない。
誰が言ったんだ、恋の季節、だなんて。
今年も私にとっては何の変哲もない夏だった。
夏が楽しいのは若い子だけなんだろうな。
ビーチで泳いだり、夏を満喫しているうちに素敵な出会いもあったりして……
嗚呼、考えるのやめよう。
暗い気持ちになる上に、自分の考えがひどく年寄りくさいように思える。
うん、こういう考えは頭の外へ吹き飛ばさないと。
「美衣子さん、今朝見ちゃいました~」
デスクで資料整理をしていると、知香ちゃんが後ろからそっと声をかけてくる。
仕事中だからトーンは抑えているけど、ひどく残念そうな声だ。
「見たって、何を?」
「柳原さんです。出勤してくるところをロビーで」
それの何が珍しいんだろう?
そう思い、知香ちゃんに対して小首をかしげる。
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もうすぐ夏が終わる。
私にとっては夏は暑いだけで、何も楽しいことなんてない。
誰が言ったんだ、恋の季節、だなんて。
今年も私にとっては何の変哲もない夏だった。
夏が楽しいのは若い子だけなんだろうな。
ビーチで泳いだり、夏を満喫しているうちに素敵な出会いもあったりして……
嗚呼、考えるのやめよう。
暗い気持ちになる上に、自分の考えがひどく年寄りくさいように思える。
うん、こういう考えは頭の外へ吹き飛ばさないと。
「美衣子さん、今朝見ちゃいました~」
デスクで資料整理をしていると、知香ちゃんが後ろからそっと声をかけてくる。
仕事中だからトーンは抑えているけど、ひどく残念そうな声だ。
「見たって、何を?」
「柳原さんです。出勤してくるところをロビーで」
それの何が珍しいんだろう?
そう思い、知香ちゃんに対して小首をかしげる。