偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
場所はまた連絡するから、LINEのIDを教えろ、と言われ。
あれよあれよという間に友だち登録をしてしまった。
「なんなの、今のは…」
柳原さんが行ってしまってから、思わず独り言が漏れる。
だってそうでしょう。
いきなりの連絡先交換、いきなりの食事の誘い。
こんなことは知り合ってから初めてだ。
……ま、いっか。
何か切羽詰まった相談事でもあるのかもしれない。
けっこう強引な感じで約束を取り付けたもの。
あの人は女の子に興味がないんだから。
よく考えてみたら、私は柳原さんのことを女の子の同僚と同じ感覚でとらえればいいんだわ!
そうやって、私にしては珍しくポジティブに脳内変換しておいた。
しかし……兼古くんとの恋愛相談だったらどうしようか。
私には人にアドバイスするほどの経験値がないって、わかってるんだろうか、あの人は。