偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
しびれを切らしてしまった。
これでこのあと解散となると、何だこの食事会は、ということになる。
話があるんでしょう?
会社のコピー室では話せない内容の話が。
「これ」
柳原さんの右手から、おもむろに私の前にとあるものが差し出された。
「何ですか? これ」
ただ単に差し出されても意味がわからない。
これを私にどうしろと言うんだ。
「お前、誕生日だったろ?」
「誕生日は……1ヶ月くらい前に過ぎましたけど…?」
どうやらこれを私にくれる、という意味だということだけはわかったけど。
誕生日プレゼントだとでも言うの?
……まさかでしょ。時期も微妙だし、貰う理由もないし。
「いや、だから……うん、誕生日は関係ない」
「……はぁ……はい?」
「俺は35だから2歳差だな。…まぁ、とりあえずそれ開けてみろ」
「……どうしたんですか?」