偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
「俺といるときフェニルエチルアミンが出ればいいわけだろう?」
「はぁ……え?…」
「俺はお前とは、オキシトシンのほうがいいと思ってるけど」
「またまたわけのわからないこと言って……」
さすがに立て続けに知らないワードを言われ、ハァーっと溜息が出た。
会話が成り立ってないというか、かみあってないというか。
「オキシトシンは…要するに癒しのホルモンみたいなもんだ。
飼い主がペットを可愛がるような…」
「……ペット?!」
「まぁそう憤るなよ。
オキシトシンが悪いわけじゃない。穏やかにいこう、ってことだ」
つい声色が変わってしまった私をなだめるように、柳原さんが私の肩をトントンと叩く。
犬でも手なずけてるつもりですかい?