偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~

「とりあえず、あの指輪はお返ししようと思います」

「返されても困る。それより婚姻届、持ってこいよ?」


それより、って何?
まるで別問題みたいな言い方してくれちゃってるけど。

指輪も婚姻届も同じ土俵の問題だってば!


「あぁ、それと…」


立ち去ろうとした彼が、何か言い忘れたのか再び私のほうに体半分だけ振りかえった。


「俺の親に会ってもらう。今週の日曜、あけとけ」


無表情にそう言うだけ言って、また私に背を向けた。


「え、ちょっと待ってください!」

「これも決定だからなー」


その背中に向かって抗議の声をあげるも、彼は前を向いたまま淡々とそう答えるだけだ。

いや、待ってください。本気で。
親に会ってもらうって……この場合、ご両親に結婚の報告というかご挨拶、ってことになるんじゃないの?!

どんな服着てけばいいんだろう。
スーツ? ワンピース…は、若すぎる?

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