偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
待て待て美衣子よ!
行く承諾してないってば!
もっと言えば、結婚の承諾もしてないってば~~!
だけど……この前の柳原さんの言葉が脳内でリフレインする。
――― 『お前は家族を作れて孤独じゃなくなる。』
……そして、さっき言われた言葉も。
――― 『安心しろ。放っとかないから。
お前が倒れてたら助けるし、困ってたら一緒に考える。これからずっとそうする』
私が一番欲しいと思っていたものを、目の前にエサとしてぶら下げられた気分だ。
それが欲しいなら柳原さんと結婚するしかない。
結婚すれば……少なくとも今のこの孤独感からは解放されるんだろうな。
誰にも発見されずに孤独死する老婆にならなくて済むかもしれない。