偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
訊かれたことはわかっていながらも、薄っすらととぼけたのに。
知香ちゃんは興味津々とばかりに食いつき、眉根を寄せた。
「呼び出したりなんかして、意味ありげでした!」
「知香ちゃん、私……その街コンには行けないや…」
目の前にぶら下げられたエサだなんて思っちゃったけど。
これ以上のチャンスなんて、この先私には訪れないと思うから。
一か八かであったとしても、このチャンスにかけるしかないと思う。
私はそれくらい、孤独な人生から逃れたい。
「なんでですか?」
「私、柳原さんと結婚する」
実際に結婚するなら同じ会社の同僚同士だし、隠しておけるわけがない。
というか、隠す意味もないし…。
仲良くしてくれてる知香ちゃんには、先に言っておかないとね。