偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
「いや、そうじゃないが…。細かいことにはこだわるタイプだな」
先行き不安です。
これは日曜は気合いを入れてのぞまなくては。
だって、柳原さんのマザコンぶりからして、お母様も息子を溺愛してるに決まってるじゃん。
「お前と結婚することはもう伝えてある。あとはちゃちゃっと挨拶を済ませるだけだ」
ちゃちゃっとって…そんな簡単に言ってくれちゃうけど。
挨拶行くほうの身にもなってもらいたい。
私だって人間だ。少なからず緊張くらいする。
「日曜は、お父様とお母様と…他にもどなたかが?」
だいたい、俺の親に…としか聞いていない。
心の準備ってものがあるんだから、もう少し詳しい情報を教えてくれてもよくないでしょうか。
「親父は去年他界したんだ」
「そう…だったんですか…」
やはり聞いておいてよかった。
当日になってから、お父様はどちらに?なんて言ってしまう失態を免れたと思う。
柳原さんもお父さんを亡くしてたんだ。私と同じだ…。
「俺には喜一(キイチ)っていう弟が一人いてね。
日曜は母親とその弟に会ってもらう」
弟さんがいる……それも初めて聞いた。
私ほんと、柳原さんのことなんにも知らないんだよね…。
まぁでも。とりあえず何も情報なしの状態よりは少し進歩。