偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
よくよく考えたら失礼だよね?
私、相当失礼なこと言われてるよね?
「とりあえず式や披露宴の話はここまで。また別の機会に話し合おう」
やれやれ、とばかりに柳原さんが片手で額を覆いながらつぶやいた。
お母様との攻防に相当疲れた様子で。
「やーねぇ。まるで私がワガママ言ってるみたいだわ。
響介、話が違うじゃないの!」
今度はお母様のほうが不機嫌そうに柳原さんに恨み節。
お母様はお母様で、全く納得がいかないようだ。
「話が違うって、何が」
ぶっきらぼうだけど小さめの声で訊き返した柳原さんに対し、お母様がここでお返しとばかりに爆弾を落とす。
私にとってはそれは、何よりも大きな大きな爆弾だった。
「響介、この前言ったわよね?
美衣子さんは身寄りがないから、何でも好きにできる。親の煩わしさがないっていうのもいいだろ、って」
「いや、それは、」
「だから私の思い通りに、好きにしていいんだと思ってたのに!」
………なに、それ。