偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
「興味なかったら見ませんって。“精子バンク”のサイトなんて」
「口に出して言わないで! 軽くへこむから」
そう。私が検索したワードは“精子バンク”だった。
それに関して全く知識のない私は、一体どんなもんなんだろう?という興味がわき、検索してみたのだけど。
『シングルマザーとしてお子様をご希望の方』
なんて文言が書かれてあり、私のニーズに合っているんじゃ? と、食い入るように画面を見入ってしまっていたようだ。
「美衣子さんって、真面目だし真っ当なのに、たまに究極におかしな方向に行くことありますからねぇ…」
「……へ?」
「真面目ゆえの? 真面目すぎて逆に一周半くらいまわって? …みたいな?」
「なにそれ」
言われてる意味が全くわからない。
私ってどういうイメージを持たれてるんだろう。心配になってきた。
「一体何考えてんですか? まさかそれ、利用しようってんじゃないでしょーね?」
知香ちゃんの顔が怖い。眉間にシワが寄ってるんだもん。