偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~
◇結婚って何だろう
――― ◇結婚って何だろう
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「おはようございます、柴本さん!」
ラッシュアワーの電車を降り、会社までの道のりを歩く出勤途中。
私は意外な人物から朝のあいさつをされ、一瞬で心臓が跳ねた。
後ろから元気よく声をかけてきたのは、同じ会社の兼古くんだった。
兼古くんといえば……
柳原さんと同じで、これまたゲイ疑惑のある後輩くん。
そして、柳原さんと付き合っているんじゃないかという噂まであった人物だ。
「あ、お、おはよう」
たどたどしい。
自分でも不自然さ極まりないと思える挨拶と笑顔。
だって仕方ないじゃない。
咄嗟に声かけられたから驚いたんだもん。
兼古くんとは部署が違うから、今まであまり話したこともないのに…。
「ご結婚おめでとうございます」
爽やかだ。兼古くんはとてつもなく爽やかだ。
にこっと私に微笑んでくれた顔なんて、けっこうなイケメン顔じゃないか。
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「おはようございます、柴本さん!」
ラッシュアワーの電車を降り、会社までの道のりを歩く出勤途中。
私は意外な人物から朝のあいさつをされ、一瞬で心臓が跳ねた。
後ろから元気よく声をかけてきたのは、同じ会社の兼古くんだった。
兼古くんといえば……
柳原さんと同じで、これまたゲイ疑惑のある後輩くん。
そして、柳原さんと付き合っているんじゃないかという噂まであった人物だ。
「あ、お、おはよう」
たどたどしい。
自分でも不自然さ極まりないと思える挨拶と笑顔。
だって仕方ないじゃない。
咄嗟に声かけられたから驚いたんだもん。
兼古くんとは部署が違うから、今まであまり話したこともないのに…。
「ご結婚おめでとうございます」
爽やかだ。兼古くんはとてつもなく爽やかだ。
にこっと私に微笑んでくれた顔なんて、けっこうなイケメン顔じゃないか。