偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~

「全く意味がわかんないです。
美衣子さんって…彼氏? みたいな人いるって言ってたじゃないですか。仲良くしてる人」

「ち、違うの、その人は終わったっていうか何ていうか……」


言いにくそうに取り繕う私を、知香ちゃんが不可思議に見つめてくる。
何から説明しようか…。


「柴本、これ午後イチで頼む」

「うわっ! ビックリした! 柳原さん、おどかさないでくださいよ!」


知香ちゃんと会話していたことで、すっかり気を抜いていて。
そこへ第三者が突然現れて、再び私の心臓が止まりそうになってしまった。


「何を驚いてんだよ。普通に声かけただけで」

「いや、その……」


そう。私が気づいていなかっただけ。
何か言い訳を口にしようと思いつつ、見られてはいけないパソコン画面を咄嗟に閉じた。


「柳原さん、まだお昼休み中ですよ」

「そうか。悪い。あと10分あったな。
とにかくその仕事、午後イチな。急ぎなんだよ」

< 7 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop