偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~

「私じゃなく、その女のほうが本命だったわけ」

「いや、でも!
晴美とは結婚して子どもできて、ちゃんと家庭を作ってきたんだから…」


本命は晴美のほうでしょ?
と言葉をつなげようとしたら、晴美が大きく首を横に振って途中で否定した。

どういうこと?
浮気相手のほうが本命だなんて。


「相手の女、キャリアウーマンってやつでね。
生涯子どもは産みたくないんだって。
旦那は子ども好きだし、元々自分の子どもが欲しいって思ってたタイプだから、そこは価値観合わなかったらしいわ」


確かに旦那さんはとても子煩悩な人だ。
そこも素敵な家庭だと思える一因だった。


「だから、結婚相手としては私を選んだ。
子どもを産む意思があるから私と結婚しようと思ったらしいの。
そこでその女と関係を切ってくれてたらね、私は何も気づかずに今後も幸せに生きていけてたかもしれない。
だけどずるずる続いてた。…その女と」


子どもがほしいがために晴美と結婚した…。
本当にそうなのだとしたら、それはさすがにひどすぎる。

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