夢の終わりで、君に会いたい。
プロローグ
「夕焼け公園」で見る夕日が好き。
メープル色の輪郭をゆっくり空に溶かしながら落ちてゆき、やがてこの町に夜を連れてくる。
一秒ごとに色を濃くしてゆく空を見ていると、不思議と心が落ち着く。
暗くなると、自然に眠くなるし、寝ても誰も文句は言わない。
毎日が楽しくないわけじゃないけれど、いつからか眠ることが待ち遠しくなっている。
夢の世界で、私はいつでも自由。意識しないとうまく笑えない現実が嘘みたい。
だから、はやく夜になってほしい。
長い影を置き去りにして、今日も私は家へ急ぐ。
もう少し、もう少しで夢の住人になれるのだから。
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