夢の終わりで、君に会いたい。
――ジャリ。

小石を踏みしめながらいつものように公園に足を踏み入れると、そこはすべり台とジャングルジム、そして小さなベンチがあるだけの小さな公園。

右側には小さな丘がある。

高台にあるこの公園を、私は『夕焼け公園』と名づけている。

実際の名前は『一丁目公園』という平凡すぎる無機質な名前。

ここからは町の景色が一望でき、さらには真正面に沈む夕日が見えるのだ。

誰もいないこの場所で、夕日をながめてから帰るのが最近のブームというか、日課になりつつある。

朝の天気が悪かったので、今日は見られないと思っていたので得した気分。

とはいえ、最近は季節が変わってゆくのか、夜が急ぎ足でやってくる。


「間に合った」


遠くに沈んでゆくオレンジを見ると、胸が高鳴るのをいつも感じる。



そう、私は夜に恋をしている。



朝の光に絶望し、昼から目をそらし、夕日にやがて訪れる夜を期待するのだ。

眠りにつくまであと少し、というつかの間の美しさが好き。

どんどん暗くなる空と、最後の輝きに燃えている夕日。

それと戦う地平線のコントラストに今日の終わりを知るのだ。
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