夢の終わりで、君に会いたい。
落ちる!


そう思った瞬間には世界が回り、鈍い音を立てて私は地面に倒れていた。

すぐに腰のあたりに刺されたような痛みが走る。


「痛い……」


高校生にもなってジャングルジムから落ちるなんて。

腰を押さえながら立ちあがろうとして、体の下に鞄があることに気づいた。

さっきもらったプレゼントが!

痛みに顔をしかめつつ急いで鞄から取り出すと、グシャッと折れ曲がった包み紙が青空のデザインを歪めていた。

さっきまでは聞こえなかったガシャガシャという音に「げ」と、声が出た。


これは……何かが割れているのかもしれない。


家で開けるという約束も忘れて包みを開けると、青色のステンレスのようなものが見えた。

取り出すと、それは写真立てだった。

シンプルだけど、フレームにキラキラした装飾が施されていて、暗い中で見ていてもすごくきれい。

けれど、ガラス部分は粉々に割れてしまっていた。


「ああ……」


ため息とともに、立ちあがる。

せっかくもらったプレゼントなのに、忍になんて言って謝ればいいんだろう。

なんだか頭も少し痛いように感じるけれど、それよりも腰の痛みがひどかった。




ああ、今日は本当に最悪の誕生日かもしれない。
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