夢の終わりで、君に会いたい。
部屋について鞄を放り投げるとベッドに倒れこむ。

ふたりからもらったプレゼントは、お姉ちゃんがイチオシだと言うネックレス。

細いチェーンの先に涙の形の石が光っていた。

忍からのプレゼントと一緒に、鞄の中に入れたまま。あとで机に置いておかなくちゃ。

ふかふかの枕に額をつけていると、頭痛も波が引くように消えてゆくよう。

さっきは悪かったな、と思う。

せっかくお祝いしてくれたのに、うれしさをしっかりと表に出せなかった気がする。

ふたりは気づいていたのか、いつもより楽しそうにいろんな話をしてくれたのに、なんで求められていることができないんだろう。

後悔が眠る前の幸せな時間をいつも邪魔する。


「そうだ。今、何時?」


壁の時計に目をやると、午後八時を過ぎたところ。

今からならたくさん夢を見られる。

こんな日は、もう寝てしまったほうがいいかも。

一旦そう思うと、それがすばらしい考えのように思えた。

手早くシャワーを浴びてからパジャマに着替える。

質のよい眠りにするには、環境こそが大事だと私はいつも思っている。

つまり、寝る環境を整えるのだ。

アロマキャンドルはその最も重要なアイテム。

火をつけて香りを出すタイプもあるけど、『危ない』と、お母さんが大反対したのでコンセントに差して使うタイプのアロマポットを使っている。

正式名称はディフューザーというらしい。
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