夢の終わりで、君に会いたい。
今日で私は十六歳になった。


正確に言うと、生まれたのは今夜の十時だから、今のところなんとか十五歳をキープしている。

でもまぁ、とりあえずは「ほとんど誕生日」という朝。

十月三十一日の今日という日は天気も曇りがちで、重そうな空が一日のはじまりにため息を促す。

冬服になってずいぶん経つのに、長袖に腕を通すとその重みでさらに気持ちが沈んでゆくよう。


こんな風に、毎朝モヤモヤするようになったのはいつからだろう?


元気にしていなくちゃいけないってわかっているのに、意識していないと笑顔すら作れない。

無理をすることが、いつしか日常になってゆき、それでも朝になると重い気持ちと戦う。

武器も装備もない私は、当然のように全戦全敗で、傷ついた体を引きずって一日を過ごすだけ。

笑わなくてもいいし、明るくしなくてもいいのだけれど、人前に立つと、気づけば目の前の人の顔色が変わらないことだけを願っている。


だけど、誕生日の今日くらいはいいことだってあるかもしれない。
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