夢の終わりで、君に会いたい。
「おはよ」

そう言いながらテーブルにつくと、紺のスーツに身を包んだお姉ちゃんが、オレンジジュースを飲んでいる。


「どう、体調は?」



お姉ちゃんがそう聞いてきたのでカップを持つ手の動きを止めた。


「体調?」


「うん。頭とか、痛くない?」


なんでそんなことを聞くのかわからないままに、

「大丈夫」

と、答えるとお姉ちゃんは安心したようにうなずいた。


ジャングルジムから落ちたこと言ったっけ……? 


不思議に思いながら、淹れ立ての湯気が浮かぶ紅茶を口に運ぶ。

なんとなく違和感を覚えながらも、運ばれてきた朝食を見て、

「あれ?」

声が自然に出ていた。


「どうかした?」


台所から顔を覗かせたお母さんをしばらく見て、そして再度朝食へ視線を戻す。

目の前には、パンと目玉焼きがよい香りを浮かべている。

オムライスやナポリタンの残りはどうしたんだろう? 

たしか、今朝残りを食べる、って言ってたような……。

朝からケーキってわけにもいかないけれど、食べられないことはないんだけど。
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