夢の終わりで、君に会いたい。
「あのね……鳴海」


「ん?」


なんでもないように答えながら、頭は予想を立てるのに忙しい。

たぶん、中間テストの結果のことだよね……。

でも、まだ全部返ってきてないし、言いわけはきくはず。

お母さんはお茶を飲んでため息をつくと、伏し目がちのまま口を開いた。


「こんなときに言うのっておかしいと思うんだけどね」


「…………」


こんなとき、ってどういうことなんだろう?

不思議に思いながらうなずく。


「お父さんのことなんだけど」


「……うん」


予想ははずれたけれど、きっとそれよりももっと悪い話だ。

ゆっくりと困り顔を観察すると、お母さんは意を決したように顔をあげた。


「うまくいってないのは、もう知ってるわよね」


「まあね」


「お父さん、もうずっと帰ってきてないでしょう?」


「うん」


うなずくことしかできないまま、両手で持ったカップからのぼる湯気を見つめながら答えた。
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