夢の終わりで、君に会いたい。
「えー。ということで吹奏楽の諸君が、全国大会に進むことになりました」
ハウリングしているマイクの音にかぶせるように、パラパラと拍手が鳴った。
結局、遅刻ギリギリで登校した私は、慌てて臨時の全校集会へ。
「月曜日でもないのに、なんで全校集会があるのよ」
小さな声で前に立っている忍に悪態をつくと、
「だから、吹奏楽部が全国大会に行くって校長先生が説明してるでしょ」
と、耳もとに顔を寄せて言った。
「でも、こんな天気だよ」
上空の灰色の雲は、今にも落ちてきそうなほど。
どんどん形を変えながら西へと流れている。
これじゃあ夕焼けが見られないかも。
「ほんと、降りそうだよね」
忍の声に、ふと思い出す。
……そういえば、昨日の夢もこんな感じだった気がする。
同じような空を切り取った写真のように覚えている。
そうだ……、全校集会に出ている夢だった。
「あ、雨」
誰かの声に見あげると、額にひとつしずくが踊ってはじけた。
ざわめきが波のように広がってゆくのを見てますますデジャブのような感覚に包まれる。
なんだか胸が騒がしいのは、自分が信じられないから。
ハウリングしているマイクの音にかぶせるように、パラパラと拍手が鳴った。
結局、遅刻ギリギリで登校した私は、慌てて臨時の全校集会へ。
「月曜日でもないのに、なんで全校集会があるのよ」
小さな声で前に立っている忍に悪態をつくと、
「だから、吹奏楽部が全国大会に行くって校長先生が説明してるでしょ」
と、耳もとに顔を寄せて言った。
「でも、こんな天気だよ」
上空の灰色の雲は、今にも落ちてきそうなほど。
どんどん形を変えながら西へと流れている。
これじゃあ夕焼けが見られないかも。
「ほんと、降りそうだよね」
忍の声に、ふと思い出す。
……そういえば、昨日の夢もこんな感じだった気がする。
同じような空を切り取った写真のように覚えている。
そうだ……、全校集会に出ている夢だった。
「あ、雨」
誰かの声に見あげると、額にひとつしずくが踊ってはじけた。
ざわめきが波のように広がってゆくのを見てますますデジャブのような感覚に包まれる。
なんだか胸が騒がしいのは、自分が信じられないから。