体は小さいが、心は大きいんです!
俺と埜々香の住む地区は、歩いて通える程の距離だ。
久し振りに仕事を定時で終え、会社を出ると、埜々香が歩いているのが見えた。
同じ方向で、歩幅の違いが著しい俺達だから、意図しなくても直ぐに追い付いてしまった。
「倉梯、同じ方向だ。
一緒に帰ろう。」
「新田課長もお帰りですか?
今日は早いんですね。」
「やっと一段落だな。
仕事、慣れたか?」
「ボチボチですね。
まだ、言われた事しか出来ないですし。」
「まあ、それが普通だな。
倉梯はミスもないし、仕事も早いし、重宝がられてるぞ?」
「早く一人前になりたいです。
この会社に倉梯埜々香あり、みたいな?
どうせ寿退社するんだろう、って目で見られるのは嫌ですもん。」
そう言ってちょっと暗い目で遠くを見つめる。
ああ、こいつは自分が侮られるのが堪らなく嫌なんだろうな、と思わせる。
こういう奴を甘やかせてやりたい、俺の心が疼きだした。
久し振りに仕事を定時で終え、会社を出ると、埜々香が歩いているのが見えた。
同じ方向で、歩幅の違いが著しい俺達だから、意図しなくても直ぐに追い付いてしまった。
「倉梯、同じ方向だ。
一緒に帰ろう。」
「新田課長もお帰りですか?
今日は早いんですね。」
「やっと一段落だな。
仕事、慣れたか?」
「ボチボチですね。
まだ、言われた事しか出来ないですし。」
「まあ、それが普通だな。
倉梯はミスもないし、仕事も早いし、重宝がられてるぞ?」
「早く一人前になりたいです。
この会社に倉梯埜々香あり、みたいな?
どうせ寿退社するんだろう、って目で見られるのは嫌ですもん。」
そう言ってちょっと暗い目で遠くを見つめる。
ああ、こいつは自分が侮られるのが堪らなく嫌なんだろうな、と思わせる。
こういう奴を甘やかせてやりたい、俺の心が疼きだした。