体は小さいが、心は大きいんです!
タクシーに乗る程の距離でもなかったので、ふたりで歩く。

暑くもなく、寒くもなくで、酔いざましには丁度良かった。

それにしても、小さい。

こうやって並んで歩くと、悪い事をしている気分だ。

「繁華街うろついてたら、補導されそうだな。」

つい、つぶやいていた。

「はい。身分証明書は必ず持ってます。」

苦笑したように言う。

「俺の8歳下か。
俺は兄貴に見えるかな?
いや、お前は中学生に見られたとして、15歳下くらいか。うーん、やっぱり親子か?
援助交際に見られたら、どうするか?」

つい、独り言を口にしてしまう。
酔いが回ると、思った事が出てしまうんだよな。

まあ、仕事の守秘事項なんかはさすがに、口にしないが。

「援助交際ですか?
私、そんなにも幼く見えます?

背も小さいし、童顔なのは否定しませんけどね。」

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