いつかの君へ
「 あ、おはよう。イケメン。 」
深川たくみ。幼なじみのお友達。
勉強も運動もできて、顔もかっこいい。
俗に言う、モテる男ってヤツだ。
「 あって、なんだよ。昴のついでかよ。」
ぷんっとほっぺを膨らませ
戯けてみせても可愛いのは
モテる男の特権かしら。
「 てか、今日も頑張りすぎ。 」
そう言いいながら
たくみが昴の方へ視線をやって
『 昴にそろそろ 好きって言えよ 』
なんて、そっと呟くものだから
あたしは 恥ずかしくって
思わず下を俯いた。
「 2人で俺の悪口かよ」
それを のぞき込むようにして
あたしを見る昴に
たくみがふっと笑って。
「 昴ことじゃねーし。」
そう、こられがいつもの朝。
あたしと昴とたくみの同じ毎日なのです。
「 あっそ。もういいから行こうぜ。」
側にいたあたしの髪を くしゃっとしながら、
昴はにこっと笑った。
あたしには、それが眩しくて。
キラキラしたその瞳を3秒とみることが出来ずに
あたしの胸の高鳴りと 昴の香水の香りが
そのまま、残るだけだった。