大空へ向かって


はぁ…。


最悪なんだけど…。




夏祭り。





お母さんに 浴衣を着せてもらい、髪を巻いた。





苦しいし…。




待ち合わせ場所に向かい、栄助を待った。




「遅くなってゴメン!」




栄助は 汗だくでやってきた。




「何があったの!?」




「クラブの帰り!」




そのまま歩いて 神社に行った。




人だらけで、見てるだけで暑苦しかった。





「麗美、たこ焼き食べたい!」




「早速かよ…。」





あきれながらも、たこ焼きを買ってくれた。





とりあえず、フランクフルトと焼きそばを買って 人の居ない所に行った。





「疲れてない?」



「余裕。」




栄助は、眠そうにアクビをした。




余裕じゃ無いじゃん。



「嘘つき。」



「何で?大丈夫…」




コツン



栄助の頭が麗美の肩の上に乗った。




寝てる…。



ほっぺたをツンツンしても起きない。





そういえば、栄助の寝顔見るの、はじめてかも。




お泊まりしても、麗美が先に寝るし…。




自分の肩でスヤスヤ眠る栄助が愛しく思えた。





30分程過ぎた時、



栄助の目がゆっくり開いた。




「ゴメン!ゴメン!」



焦ったように謝ってくる。


「大丈夫だよ!」



「金魚奢るから許して!!!!!!!」



「マジでえ?」



麗美は 簡単に乗せられた。



栄助に手を繋ご!って言ったら、



汗かいてるから、服の裾を持てって言われた。




悲しいのに、嬉しかった。


何だかんだ楽しかった夏休み…。




夏祭り…。




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