大空へ向かって
年は明け、中2も終りに近付いた。
栄助は 試合に向けての練習が多く、
一日も休まずに練習で大変そうだった。
帰るのもアメリと二人。
そんな生活が1ヶ月続き、2月14日になった。
麗美の学校は バスケとテニスが強く、有名だから
優勝候補らしい。
麗美は 地元のスーパーでチョコを買い、
試合が終わったら渡すつもり。
ピー!
試合の始まりの合図の笛が鳴り、ジャンプボール。
ジャンプボールは 背の高い栄助が担当。
見事ボールは取れ、先輩がゴールにシュートを決め、
その後も三回程シュートを決め栄助にボールが回ってきた。
栄助は 綺麗にシュートを決めて
顔をクシャッとさせて笑った。
その笑顔カッコ良すぎだよ〜!
結果は圧勝で最終戦まで勝ち残り、見事優勝。
「お疲れ様!」
麗美は スポーツドリンクを栄助に渡してニコッと笑った
「ありがと!めちゃくちゃ楽しかったし」
「見てて楽しそうだったよ!」
そう言って、二人で帰った。
「久しぶりだね!」
「ずっと練習だったからな!」
「寂しかったじゃん。馬鹿野郎!」
麗美は ベーッと舌を出し栄助の鞄の上にチョコを置いて
走って逃げた。
チョコ直接渡すとか恥ずかし過ぎだし。