大空へ向かって
麗美は 逃走したけど何より走りが遅い。
バスケやってる栄助は すぐに追い付いた。
「ばぁぁか!遅すぎ!」
栄助の手には麗美のあげた黄色でラッピングされた
チョコが握られてある。
なんか男の子にあげるのは初めてだったから
めちゃくちゃ恥ずかしい。
「遅くない。」
「見栄はんなって!」
「はってない。あとね…その袋の中身チョコじゃ無いから」
2月14日に彼女から紙袋渡されたら
チョコ以外の何者でも無いと思う。
栄助は じぃぃいっと紙袋を見て
「開けて良い??」
「勝手にすれば!」
本当は 嬉しくて…
なんで麗美は 素直じゃ無いんだろう。
「やっぱりチョコじゃん!」
さすが市販のチョコ。
すごく綺麗なチョコだった。
「栄助がチョコだと思うならチョコじゃ無いの??」
「これはチョコだろ!!」
麗美は プイッと栄助の反対側に顔を向けた。
栄助は チョコのフタを閉めて紙袋にいれた。
「ありがとな!!」
栄助は 麗美の頭を撫で撫でしてくれた。
それで優しく撫でたと思ったら麗美の髪をボサボサにした。
ぐゃぐゃって音の度に麗美の髪がぐちゃぐちゃになっていく。
「ギャー!栄助のボケナス!」
栄助は べーっと舌を出して逃走した。
麗美は ボサボサ髪のまま栄助を追いかける。
ドサッ
「いたぁぁ!」
「大丈夫??麗美ダサすぎだし!」
「大丈夫!すりむいただけだから!」
「バカ!麗美スカートはいてるくせにそんなカッコするな!」
麗美は ミニスカートにすりむいた足を立て膝にしていた。