大空へ向かって




「ゴメーン!」




「マジで気を付けろよ!」



栄助が周りを見て 男が居ないか探していた。




居なくて良かったぁ…




居たらきっと殴られていただろう。




本当に栄助は スカートについては細かい。




っていうか厳しい。




短いスカートはいたら二人乗りの時麗美の方を見て見えてないかチェックするし。




制服のスカート丈も、とにかくうるさい。




麗美は 膝上10センチより短くしていた。




栄助と付き合いだしてからは、栄助の言う長さに合わせている。




縛られてる感じで正直嫌だった。




でも厳しい所も大好きな自分が悔しくてたまらない。



「おんぶ!」




麗美は 立てないふりして栄助の服の袖を引っ張った。




疲れてるのは分かってるけど最近相手にしてくれなかったから




寂しかった。




「立てるだろ??」




「立てない!」




「すりむいただけじゃん!」




「良いもん!他の男の子におんぶしてもらう!」




麗美が転んだ場所は 同じ学校の試合帰りの同級生が結構通る。




「勝手にすれば!」




栄助と同じクラスの男の子が通った。




「さとーくん!ちょっと来て!」




「佐藤こなくて良いからな!」




栄助は 麗美の口をふさいで




「重かったらしばくからな!」




栄助は 麗美の前にしゃがんだ。




麗美は 喜んで栄助の背中に乗った。




背中が温かくて寝てしまいそうだった。




「ここで寝たら散歩中の犬の餌食だぞ」




「大丈夫だってぇ!早く早く!」




「麗美、自分の重さ考えろ。」




「失礼な!」




栄助の頭をポカッと一回叩いた。




「大好きだからね」




「俺は嫌いの反対の反対の反対の反対の反対!」




< 147 / 225 >

この作品をシェア

pagetop