大空へ向かって
3月に入り、だんだん温かくなってきた。
もう中2が終わるまで1ヶ月足らず。
クラブによっては、春休みまで無いクラブもある。
麗美の入っている吹奏楽部は もう終わり、
バスケ部も終わった。
「麗美!俺、先に帰るから。」
「分かったぁ!」
いつもこの調子で 瑠理と帰る毎日。
1週間ちょっとろくに話してない。
何してるのかな??
夜は毎日電話してるのに……。
電話は 出ないし。
クラブが終了して 2週間過ぎた頃からは 栄助と普通に登下校している。
ちょっとの間だったから麗美もそれ程気にしていなかった。
クラブが無いから、公園に行く時間も増え、居る時間が長くなる。
麗美は 嬉しくて仕方が無かった。
麗美は 甘えたように、栄助の膝にゴロンと寝転がってみる。
「寝るなよ??」
「寝ないし!」
麗美は 頬をプクーっと膨らませた。
「あっそぉ!寝たらジュース奢りな!」
「寝ないってば。」
でも 栄助の膝に寝転がってる時とか…
栄助におんぶしてもらってる時とか…
栄助に頭をなでなでしてもらってる時とか…
優しすぎて眠たくなっちゃうんだよ…。
魔法にかかったみたいになるんだよ。
「栄助の膝って魔法みたいだね。大きな手も全部魔法みたい。」
「魔法??」