大空へ向かって
「何かねぇ!優しくて魔法みたいなの!!」
「俺、魔法使い??(笑)」
「違うってばぁ!!」
ふざける栄助にベーっと舌を出してみた。
そしたら栄助がスッと麗美に顔を近づける。
急な出来事に麗美は ドキドキした。
「コンタクトずれてねぇかなぁと思って!!」
「大丈夫だよ!!」
「いい加減、膝痛いし。重さ考えろよ」
さっきは 優しいと思ったのに
今は、もう冷たい…
「分かってるよ。バカ」
もう少し居たかったかもなぁ…。
「本当はこうしたかったから」
チュッって音が公園に響き、二人の唇が触れ合う。
「…久しぶりだぁ」
膝枕は拒否されたけど すごく嬉しかった。
好きすぎて…
もう 止められないじゃん…バカ。
「もっと…して??」
栄助の顔が、急に赤く染まった。
「何!?急に!?」
「1週間以上ほったらかしだったじゃん」
栄助は やっと状況を理解したらしく
もう一度キスしてくれた。
「もうちょっと。」
隙間から麗美の声が漏れていく。
「甘えん坊が…」
栄助は ぎゅぅぅっと抱き締めて離さなかった。
力が強くなる度に、温かみが広がる気がしていた。