大空へ向かって
麗美は 頭から落ちた箱を手に持った。
「何これ??」
「開けてみ!!」
可愛くラッピングされた袋を開けた。
中には、白い箱が入っていて、
パカッ
袋を開けたとき、嬉しくて波だが止まらなかった。
シンプルなデザインのシルバーリング。
「二人のペアリングな!」
栄助は バッチリ左手に同じ指輪をつけていた。
「超可愛い!!」
麗美は 泣きながら一生懸命笑顔を作る。
「麗美の一個だけだったら可愛い指輪買えたんだけどさぁ....」
「ううん!!シンプルだけど可愛いじゃん♪♪」
麗美は激しく首を横に振りながら言った。
何の柄もない、ただのシルバーリング。
だけど、デザインのついた高いリングより
気持ちが伝わってきたと思うし、お揃いが嬉しい......
「左手出して!!」
麗美は 黙って栄助の胸の前に左手を出した。
栄助は 器用に箱からリングを取り出し
麗美の薬指に少しずつはめていく
産まれて初めて、左手の薬指に指輪をはめた。
感覚がとても好きでまた泣いてしまった。
「ありがとう!!」
「泣き虫...!」
栄助は 右手の人差し指で麗美の涙を拭いた。
栄助、優しすぎだよ…
「指輪、高くなかった?」
「気にすんなよ!!」
「そうじゃなくて、お母さんに迷惑かかってないかなとか...」
栄助は サッと目を反らした。
「なんか、隠してる!」
「なんもねぇよ!!」
「教えてーー!!」
「だから...!!怒るなよ??」
「多分ね!!」