大空へ向かって
どれだけ探しても、彼の姿は無く…
安心したような…悲しいような…複雑な気持ちが麗美を襲う。
━━いつもは、喋りながら登校した道なのに…
君が居ないだけで、別の場所に居るようだった。
これからは
学校に行っても
話すことも
笑いあうことも
手を振ることも
小さな事さえも出来ないんだ。
あの無邪気な笑顔…
温かいぬくもり…
君の手…
君の背中…
君のすべて
麗美だけのものじゃ無い。
麗美だけ
特別じゃ無い。
でも、これは
麗美が選んだ道。
これ以上に この道を選んだ事を後悔するのは
また、後の事。
こんなに、クラスが別で良かったと思うのは
初めてだ。
今、君の姿を見たら、余計に辛くなるだろう。
きっと君の方が辛い想いをすると思う。
━━何でちゃんと…言えなかったのかな?
本当の事。