大空へ向かって
そのヤンキー組は、麗美のクラス━━━1組で
たまって喋りだした。
すごい香水の匂い。
カラフルな髪の毛。
派手な制服。
皆…皆一緒なのに……彼だけは、特別に見えた。
栄助の姿を見て…まだ未練が残ってるんだなと実感する。
たまって喋ってたところから栄助は出て…
麗美の方へ、歩いてきた。
別れたことを知らない友達は━━━
皆、気を使っているのか…麗美を一人にする。
時間が止まったかと思った。
いつもの…教室…沢山人が居るのに
君しか見えない…
そんな風に思えた。
「…よぉ」
栄助は、笑顔で麗美に話しかけてくる。
━━━何で?
普通に、友達で居て…良いってことなの?
「久しぶりだな!しばらく学校サボってただろ?もうサボんなよ?」
「…うん」
麗美は栄助の顔が見れなくて下を向いた。