大空へ向かって
お医者さんは、麗美を外に出し、お母さんを診察室に入れた。
麗美は、外の椅子に座り、お母さんを待ってる間
ずっと泣いていた。
何もかも失った麗美に宿った、1つの命。
麗美はふと、去年の出来事を思い出した。
去年…麗美のクラスメートが妊娠したんだけ。
その時…周りにもバレて、凄いイジメにあって、
そのまま不登校になった子が居た。
その子は、どんな気持ちだったかな?
きっと、おろしたんだと思う。
麗美は、それだけは嫌だった。
どれだけ…苦しくても
辛くても
反対されても
赤ちゃんは、殺せない。
まだ中学生なのに。
もう、お母さんなんだね。