大空へ向かって
キモチ
まあ…なんだかんだで放課後。
瑠理と亜美と帰ろうとしていた。
今一番中良いのはこの二人。
三人で歩いていると、弘人が走ってきた。
「…」
無言で麗美の腕を掴んで引っ張られた。
…痛い
この痛みから、弘人が怒っていることが分かる。
「…何!?」
何度聞いても弘人は麗美を無視して歩き続ける。
弘人は、人通りが少ない旧校舎の方へ行った。
「…何で栄助と別れたんだよ?」
鋭い弘人の目付き。
思わず反らしてしまった。
「…何でって……弘人には関係無いじゃん。」
「…栄助がどんだけ苦しんだか分かるか?」
…分かってるよ…?分かってるよ…どれだけ栄助が傷ついた事なんて。
「…分かってるよ。でも一緒に居れないんだもん。仕方ないよ」
ポロポロと涙が出てきた。
その麗美を見て弘人は少し困った様子だ。
「…っごめ。そんなキツく言うつもりは無かったんだけど…」
優しい所も…全然変わってない弘人。
話すの、めちゃくちゃ久しぶりだよね。
中1の頃から…皆の関係だけが変わっただけだったんだ。