大空へ向かって
「俺…。」
「麗美ね…。」


どうじだった。


二人で笑う。


もう二度と、栄助と笑い合う事なんて、無いと思ってたのに…。



「麗美が先言えよ!」


「良いよ…。栄助が先で…。」


「麗美が呼んだんだから!!!!!」



「そうだね…!!!前に、栄助。女の子と二人で居たよね??どう言うなのかなって思って!!」



栄助の顔が真剣になった。

「俺も、その事で話があったんだ…。実は、麗美と付き合い始めてからも、女と会ってた…。」



やっぱり、そうだったんだ。


涙が出てきた。


「ちょっ…。俺が言いたかったのは、そうじゃ無いんだ!!!!!」



そう言って、制服の袖で麗美の涙を拭く。


その仕草にドキッとした。

「それで…。今まで、当たり前のように、麗美と一緒に居た。それで…。麗美を浮気してた女達のように扱ってた。」



栄助の瞳から、一粒、滴が頬へと蔦って行く。



「俺は、最低の男だ…。麗美は、他の女とは、違うのにな…。」


栄助は話続ける。



「麗美を失って、初めて気ずいた…。麗美は、俺にとって大切な人なんだって…。必要な人なんだって…。」



その言葉を聞いて涙が止まらなかった。




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