大空へ向かって
第六章 空
そう言いながらも、栄助の自転車の後ろに乗る。
学校を出たら、坂。
その坂を下りるとき、恐がったふりして、栄助に抱きつくのが好きだった。
「栄助〜!空、綺麗だよ♪♪♪♪」
「マジで!?」
ゆっくり自転車をこぎながら、空を見上げる栄助。
「あー!栄助!!!ほら、雲!!!ハート型だぁ♪」
「すげぇ!写メとるか??」
「うん!!!とる!」
二人は、ケータイを取り出し、ハート型の雲の写メをとる。
「麗美、待ち受けにしよ♪」
「じゃあ、俺も!!!!」
「お揃いだねっ♪」
お揃い。
それだけで栄助と繋がっていれるみたい。