大空へ向かって


―放課後


「栄助〜!!!!」


「ん??」


「さっき、本で読んだけど、二人で相合い傘を書くと、ずっと一緒に居られるんだってぇ♪」



「ん??どこに書くつもり??」


「考えてない…。」



そんな事、考えてなかった…。


「この前の公園のベンチとかは??」



麗美の表情が 明るくなる。


この前行った公園に着き、マーカーを取り出す栄助。


「二人の名前は、平仮名で書くんだよ!!!!」



「俺、麗美の漢字書けねぇし!!!!」



二人の、相合い傘。



栄助…??


あの相合い傘、消えちゃったんだよ…。



あの公園、無くなったんだって…。



二人の、思いでの場所なのにね…。
< 54 / 225 >

この作品をシェア

pagetop