大空へ向かって
二人は、この前のように、ベンチに座った。
「大好き…。」
少し照れながら、抱きつく麗美。
「今日は、素直じゃん。」
栄助は、いつもより低めの声で言う。
「うるさいッ!!!!」
相変わらず、素直じゃ無い麗美。
「寒い!こうしたら、温かいだろ??」
栄助は 学ランの中に、麗美を入れる。
温かい…。
栄助の体温が、麗美にも伝わってきて、心地良い。
秋にもなると、すぐに暗くなって、一緒に居れる時間が減る。
嫌だな…。
素直じゃ無いけど、わがままな麗美。
照れ屋だけど、積極的な栄助。
二人の距離は、完全に縮まってる。