ボーイズロード ―second season―
石川から告白されたのはつい先月、つまり一年生の終わりの3月だ。

それ以来、気まずくなるわけではなかったけど、そういえば二人きりでの会話はしていなかった。


あれからそんなに日も経っていないし、多分石川はまだ俺のことを好きでいる可能性も高いよな……


うん、きっとそう。

だって確実に目が合っているのに、気付かなかったふりしてるっぽいし。

いつもの石川ならきっと話しかけてきたりするし、やっぱ不自然だ。


俺が修香さんと一緒にいるところを見て、どう思ったんだろう。


「どうしたの?若ちゃん。黙っちゃって」


修香さんに声を掛けられてはっとする。


「……え?ああ、すいません」


結局あれこれ考えても、石川のことはもう過去のことなんだ。

石川だっていつまでも俺のことを好きでいるわけでもないし、俺のほうが気にしていたらだめだよね。


それでも言い訳じゃないけど、やっぱり石川が俺を意識しているうちは、俺もどうしてもあいつのことを意識しちゃうんだよな……


無意識に一年生の時の下駄箱に向かってしまって、やっぱりこの時俺は動揺していたんだなと思ってしまった。

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