ボーイズロード ―second season―
教室の奥から石川が出てきた。

「琢ちゃん、パシリ?」

「うん。残念だけどそうみたい。これ、ニーナが教科書のお礼にって」

「ニッキ飴?ごめん。私だめなんだ。さやかちゃんにでもあげて」


そうだよね。若者でこれが好きって人、あんまいないよね。

さやかはまた友達と話をしているようだし、俺は教室に戻ることにした。


うちの家族、ニッキ飴なんて食べるかな。なんて思いながら廊下を歩いていると、急に後ろから声をかけられた。


「琢哉!」


振り向くと、さやかが俺のことを追いかけて来てくれた。


「どうしたの、さやか」

「友達が、琢哉のところに行ってきてもいいよって。ホントはあたしに会いに来たんでしょ?」

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