ボーイズロード ―second season―
すぐに返信のボタンを押したはいいが、文章が浮かんでこない。

断ったらあいつが傷つくこともわかっているし、それはすごく嫌だと思う。

だからといって明日の俺が、蒼に会いに行く想像もできないんだ。


でも蒼のことはもう好きじゃないのかってなったら、それは好きなんだと言い切れる。


だけど、その気持ちが前ほどではないことも確かだ。


『ごめん、明日は急に琢と若月と勉強することになって、あいつらがうちに来るんだ。勉強とかおれはめんどくさいんだけど、あいつらうちにくるから』


何も考えずに勢いで打った文章を、その勢いのままで蒼に送信する。

一度送ったメールは取り消しが効かないことを知ってからは、迷ったままのメールをこうして勢いに乗せて送ることが多くなった。


そしてそういうときは決まって、送ったあとのメールを見直して後悔する。

今回もそうだ。俺はこんなに長い文章を送ったことがない。しかも微妙に変な文章だ。

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