ボーイズロード ―second season―
やっぱり今日の俺は、ちょっとだけ弱っていたみたいだ。

だけどそういう情けないところは、なるべく知られたくない。


頼むから「どうしたの?」なんて聞かないで。


「……あ、琢哉。とっくに10分経過」


俺の肩越しにさやかが腕時計を見ながらつぶやく。


「そっか、ごめん。帰ろっか」

「うん」


少しだけ照れくさいまま自転車にまたがるが、そこからの帰り道はさやかが話をしてくれたおかげで、照れくささはいつの間にか消えていた。


家に着くと、さやかからメールが来ていた。


『ほんとはもっと一緒にいたかったよ』


俺はそれに短く返信してから、携帯を充電器に繋げた。


『俺もだよ』

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