ボーイズロード ―second season―
それにしても今日は本当に忙しい。

おばさんもなかなか手が離せないらしく、厨房にこもりきりだ。


オーダーを取りながらレジを打って、食事を運ぶことの繰り返し。

もう一人バイトを雇ってくれないかと、切実に願う。


実は、俺がここで働くようになってから、バイト希望の女子高生が増えていた。

だけどおばさんは、それらを全て断ったようだ。バイトを増やすほどの余裕はない。身内の俺のときでさえ、渋っていたくらいだ。


そもそも、おばさんの趣味で始めたカフェであって、これで稼ごうとまでは思っていないのだ。


とかなんとか言っていたけど、実は俺のために断ってくれているんじゃないかなと思う。

ここに来店する客の中にも、カメラ付き携帯でこっそり俺を撮影している奴がいるくらいだ。音でバレバレだけど。


バイト希望の女子高生だって、面接だけでは素性はわからない。

俺目当てで来てんのか、純粋にバイトがしたくて来てんのか。

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