ボーイズロード ―second season―
「ねえ、それって本気?遊び?」

「……えっ?」

油断したスキに、修香さんの手が俺の手の中から抜けていった。

「若ちゃんの言った通り、結構軽いんだね」

……しまった。最悪な印象を持たれたか。


「遊びなら私もそれなりの相手しかしない。

若ちゃんの友達だし、これから顔を合わせることだってあると思うから。

関係を割り切ってくれるんだったら全然いいけど、気まずい関係だけは嫌だから」


今度は修香さんの方から俺の手を握ってきた。

何だよ、この人。全く掴めないんだけど。

割り切るにしても、主導権は俺が握ってないと嫌だった。


「……すいませんでした」

ここは一旦引き下がることにする。

別に遊びのつもりもなかったけど、本気とまでは言えなかったからやっぱり軽いのかな。


修香さんは「まだまだ甘いね」って言いながら、背伸びして俺の頭をくしゃっと撫でる。


……くそっ。完全に子供扱いされているじゃん。


だけど一つだけ気になることがあった。修香さんが俺の手を握ったときに、彼女の手は微かに震えていたんだ。

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