ボーイズロード ―second season―
この二人の脳味噌なんてすっごくどうでもいい。どうせ二人とも、カニ味噌程度しか入ってないんだから。


「あーあ、なんかいいことないかなぁ」

「若の言ういいことって何?」

「いいことはいいこと。心躍る出来事だよ」


二年生になってから一ヶ月が経ったけど、これといって俺の中では大した出来事がない。

新しいクラスにはそこそこ馴染めたし、友達だって増えたけど、俺はなにかウキウキするような出来事を求めているんだ。


「何だよ、心躍る出来事って。若月なんて基本的にパッパラパーなんだから、それでいいだろ。頭の中は年中踊ってるぞ」


賢太くん、それはちょっと傷つくなぁ。


「確かに。若の頭の中は年中よさこい踊ってそうだもんな」

「ソーランソーランって?それ、どんな頭なのさ。めっちゃ鳴子の音がしてそう。若、頭振ってみなよ。カラカラって音がするかもよ」


「ちょっと、三人とも笑いすぎじゃない?」


もう、ほんとこの人たちイヤだ。

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